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【コラム】糖尿病の特徴

2021.04.12

東大阪市の三宅医院は地域のかかりつけ医として、地域の皆様の幅広いお悩みにお応えしつつ、総合内科・糖尿病専門医として専門的な治療をお届けしております。

糖尿病などの生活習慣病のご相談以外にも、「どの科に相談すればいいかわからない」というご相談にもしっかりとお応えし、皆様の健康維持・病気予防に貢献させていただきます。

こちらのブログでは病気や気になる症状に関わる様々な情報を発信して、少しでも皆様の不安解消に繋げられればと思っております。

今回は“糖尿病の特徴”についてお話しします。

糖尿病とはどんな病気でしょうか?

糖尿病とは、インスリン(血糖を一定の範囲に保つ働きをするホルモン)の分泌が不足したり、インスリンの働きがじゅうぶんでないために、血液中の血糖が増えてしまう病気です。

患者の内の5%ほどは1型糖尿病であり、若年層での発症が多く、インスリンを出すβ細胞が壊されることで起こります。

患者の90%を占める2型糖尿病は中高年に多く、発症には生活習慣が深くかかわっていると考えられています。

一度糖尿病になると、一生この病気とつきあっていかねばならないと言われるとおり、完治が難しい病気であり、血糖値が高い状態が続くことで、糖尿病腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、心筋梗塞や脳梗塞といった合併症を引き起こす可能性があります。

高齢者の糖尿病

人間は年を取るとともにさまざまな機能が低下していきます。

同じように膵臓の機能が低下すると、分泌されるインスリンが減っていき、血糖値が下がりにくくなります。

また、血液中にある糖分は運動することで筋肉に取り込まれますが、高齢になると筋肉量や運動量が減ることで血糖が下がりにくくなり、増加した内臓脂肪によってインスリンの働きが阻害され、結果、糖尿病を発症します。

このように、年を重ねるほど糖尿病にかかりやすくなるのですが、高齢になると「体重が減る」「頻尿になった」などの症状があらわれても、年のせいかと思い込み、症状が進んでから糖尿病だと気づくことが少なくありません。

加えて、高齢者が糖尿病になると、以下のような状況が起こりやすくなります。

・高齢になるとほかの疾患をもっていることが多く、薬の管理が大変になる

・腎機能・肝機能の低下によって、血糖値を下げるための薬が効き過ぎ、低血糖の状態が続いてしまう

・年齢により認知機能が低下しているため、食事や運動など生活習慣の改善、薬の管理が困難となり、症状が進む

糖尿病は、高齢になるほど発症しやすく、自分で気づくことが難しい病気です。

将来の糖尿病予防のために、血糖値や体重、血圧のチェックと定期的な健康診断、生活習慣の見直しを行うようにしましょう。