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【院長コラム】糖尿病と動脈硬化

2022.08.05

【院長コラム】糖尿病と動脈硬化

東大阪市の三宅医院は地域のかかりつけ医として、地域の皆様の幅広いお悩みにお応えしつつ、総合内科・糖尿病専門医として専門的な治療をお届けしております。

糖尿病などの生活習慣病のご相談以外にも、「どの科に相談すればいいかわからない」というご相談にもしっかりとお応えし、皆様の健康維持・病気予防に貢献させていただきます。

こちらのブログでは病気や気になる症状に関わる様々な情報を発信して、少しでも皆様の不安解消に繋げられればと思っております。

今回は“糖尿病と動脈硬化”についてお話しします。

血管の壁が硬くなる動脈硬化

糖尿病とは、血糖値が正常値よりも高くなる病気のことを言います。

糖尿病で高血糖の状態が長く続くと、血管の壁が傷ついてコレステロールが溜まり、やがてプラークと呼ばれる塊が形成され、血管の壁が硬くなる動脈硬化を引き起こすことがあります。

プラークが長い年月を経て蓄積していくと、動脈の血液が流れる部分が狭くなってしまうため、臓器や筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。

さらに、プラークを覆う被膜が破れると、プラークが血液にさらされて血栓(血の塊)ができ、血管を塞いでしまう場合があります。

このような血栓による血管の閉塞から、心筋梗塞や脳梗塞などが発症するのです。

心筋梗塞や狭心症を引き起こす糖尿病

心筋梗塞や狭心症などの専門病棟に入院した方の耐糖能(糖に対する反応)を調べた研究では、正常な耐糖能だった方は4人中1人であり、全体を見ると半分以上の方が糖尿病であることが報告されています。

このことから糖尿病と心筋梗塞には深い関わりがあると考えられるため、冠動脈疾患にかかった場合は糖尿病があるかどうかの検査を行い、また、糖尿病の方は冠動脈疾患に関する検査を受けることが望ましいと考えられています。

早期の診断・治療・検査で、合併症を防ぎましょう

2型糖尿病の方は高血圧や脂質異常症、肥満であるといった動脈硬化の要因を複数持っていることがあり、心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスクが高くなる傾向があります。

また、糖尿病患者の方は合併症の1つである神経障害によって痛みを感じにくい場合があり、狭心症や心筋梗塞に気付くのが遅れてしまうケースもあります。

糖尿病は、血糖コントロールを適切に行えば進行を抑えることができる病気です。

早期に診断・治療を行い、ご自身のお身体の状態を知るために、定期的に検査を受けることをおすすめします。