東大阪市の三宅医院は地域のかかりつけ医として、地域の皆様の幅広いお悩みにお応えしつつ、総合内科・糖尿病専門医として専門的な治療をお届けしております。
糖尿病などの生活習慣病のご相談以外にも、「どの科に相談すればいいかわからない」というご相談にもしっかりとお応えし、皆様の健康維持・病気予防に貢献させていただきます。
こちらのブログでは病気や気になる症状に関わる様々な情報を発信して、少しでも皆様の不安解消に繋げられればと思っております。
今回は“血糖値”についてお話しします。
血糖値とは?
血糖値とは、血液中のブドウ糖の量のことであり、ブドウ糖の量が多い状態を「高血糖」、必要以上に血糖値が下がっている状態を「低血糖」と言います。
血液中のブドウ糖は食物に含まれる糖質が消化されて作られたもので、腸から吸収され血管に入ります。
食後に血糖値が上がるのはこのためであり、食事の内容や食生活は血糖値コントロールにダイレクトに影響します。
血糖値の基準値は?
では、血糖値はどのぐらいの数値であれば正常とされるのでしょうか。
一般的には以下の数値が目標値となります。
※血液1dl中に含まれるブドウ糖(mg)を 「mg/dl(ミリグラムパーデシリットル) 」で表します。
・空腹時血糖値が110mg/dl未満
・食後2時間後血糖値が140mg/dl未満が正常範囲
さらに、過去1〜2か月の平均的な血糖値は「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」という検査値であらわされ、基準値は4.6〜6.2%、目標値は5.5%以下となります。
また、糖尿病型となるのは以下の数値であり、正常型と糖尿病型の中間が、糖尿病予備軍とも呼ばれる境界型となります。
・空腹時血糖値が126mg/dl以上
・食後血糖値が200mg/dl以上
世代による血糖コントロールの目標値は?
血糖コントロールの目標は年齢、世代によってちがってきます。
小児・思春期(8歳頃〜17、8歳頃)1型と糖尿病のガイドラインでは、目標値を以下のように定めています。
朝食前食前:90〜145mg/dl
食後:90〜180mg/dl
就寝前:120〜180mg/dl
夜間:80〜161mg/dl
HbA1c:<7.5%
生活習慣病である糖尿病を最も発症しやすい成人期(20歳頃〜64歳)では、以下のような目標値になります。
成人期は主にHbA1cによって判断されます。
HbA1c:<7%
空腹時血糖値:<おおよそ130mg/dl未満
食後2時間後血糖値:<おおよそ130mg/dl未満
(合併症を予防するための目標値)
高齢期(65歳以上)では、その方の健康状態により目標値が変わります。
HbA1cの値が重視されるのは成人期と同様です。
・理解力・判断力が良く、かつ自立している方
薬の使用がある方:HbA1c 7%未満
薬の使用がない65〜75歳の方:HbA1c 7%未満
薬の使用がない75歳以上の方:HbA1c 8%未満
・理解力・判断力があまり良くない、または基本的ADLはOKで手段ADLは低下している方
薬の使用がある方:HbA1c 7%未満
薬の使用がない方:HbA1c 8%未満
・理解力・判断力が良くない、または基本・手段ADLが低下している、他の疾患がある方
薬の使用がある方:HbA1c 8%未満
薬の使用がない方:HbA1c 8.5%未満
※ADLとは日常生活の動作のことです。
※重い低血糖の症状が心配される薬を服薬しているか、確認が必要です。
このように、血糖値の目標値は世代、健康などの状況によって異なります。
適切な血糖コントロールを行うためにも専門医を受診し、無理なく糖尿病予防・治療を続けていくようにしましょう。