東大阪市の三宅医院は地域のかかりつけ医として、地域の皆様の幅広いお悩みにお応えしつつ、総合内科・糖尿病専門医として専門的な治療をお届けしております。
糖尿病などの生活習慣病のご相談以外にも、「どの科に相談すればいいかわからない」というご相談にもしっかりとお応えし、皆様の健康維持・病気予防に貢献させていただきます。
こちらのブログでは病気や気になる症状に関わる様々な情報を発信して、少しでも皆様の不安解消に繋げられればと思っております。
今回は“糖尿病腎症”についてお話しします。
糖尿病腎症とはどんな病気でしょうか?
糖尿病腎症とは、血糖値が上昇することで腎臓の機能が低下する病気のことであり、網膜症や神経症と合わせて糖尿病の3大合併症と呼ばれています。
腎臓には糸球体(しきゅうたい)という毛細血管の束があり、血液をろ過することで体内の老廃物を排出しています。
ところが血糖値が高い状態が続くとこの働きが悪くなり、本来体に必要なタンパク質までろ過してしまうようになります。
さらに病気が進行すると濾過が行われなくなり、体に老廃物や水分が溜まって、腎不全や尿毒症になる場合もあります。
糖尿病腎症の症状は?
初期では尿にタンパクが出るだけで自覚症状はありませんが、病気が進むと尿にタンパクが大量に出るようになり、むくみや疲れやすいといった症状があらわれます。
さらに進行して腎不全や尿毒症になると、強い疲労感や食欲の低下、むくみがひどくなるなどの症状がみられ、透析治療により人工的に血液中の老廃物や余分な水分を取り除くことが必要となります。
糖尿病腎症の検査と診断について
糖尿病腎症の検査では、尿検査と血液検査を行います。
尿検査では、尿に血液が混ざっていないか調べるとともに、尿中のアルブミン(タンパク質)排泄量を検査し、30~299mg/g Crの場合は「微量アルブミン尿」(第2期(早期腎症期))、アルブミン排泄量が300mg/g Crを超えると「顕性アルブミン尿」(第3期(顕性腎症期))と分類されます。
血液検査では、糸球体のろ過量(GFR)を調べ、推算糸球体ろ過量(eGFR)が30mL/分/1.73m2未満となると腎不全と診断されることになります。
症状の進行を抑えるには、食事療法と運動療法のほか、経口血糖降下剤やインスリンを使用して血糖コントロールをきちんと行う必要があります。
定期的に検査を受け、お体の状態をよく把握しておくようにしましょう。